


いろんな課題がある中で奈良の強みである地域資源(町家等の歴史的価値のある建造物、奈良らしい風景、良質な吉野材、古墳・神社・巨樹等が残る鎮守の森など)を保全・活用することで、地球環境の保全、若者の雇用・移住・定住につなげるよう、また、品確法に基づき技術向上に努力する人が評価され実につながるよう、行政・大学等と連携した取り組みを目指します。
□奈良の建築士を巡る現状と課題と必要性
1.会員減少に伴い、会費収入だけでは、活発に事業活動ができない点。
理由:仕事を離れて退会される方が増えてきている
ため。また、20代の一級建築士(所属建築士)が全国
平均1%(国土交通省HPより)と少なく一級施工
管理技士をとり、さらに一級建築士を取得しようと
する施工者が少ない状況。
2.世代間の交流(つながり)が薄れてきており、青年建築士との交流の機会を増やし、互いの活動を知る必要がある点。
3.いろんな技術講習(木造、ヘリテージスキルアップ、CPD)修了者が、県内の公共工事において総合評価等に活かされていない点。
4.県内には戦前の歴史的価値のある町家や集落が多くあり、より良い町並み景観を有しているが、空き家が増え、景観・防災面で課題が増しています。
そこで、利活用を推進することで奈良に興味のある人が移住・定住し、事業化につながれば、奈良らしい景観が守られます。そのためには、活用するための条例が必要であり、残すべき建物は調査し指定す
る必要があります。さらに、京都市の「京町家できること集」を参考に、行政・議員・建築士が連携し、積極的な建築指導と共に県民に判るガイドラインが必要な点。
□2024年目標とする具体的な活動事業
①歴史的建造物の利活用等エリアマネジメント事業の推進
昨年度に引き続き、万葉まほろば線にある明治建築の駅舎やその周辺の地域資源を掘起し、上記の課題解決に取り組み、空き町家/駅前広場など公共空間等の活用を推進することで、減災、雇用・移住・定住増、景観保全につながるよう、当会ヘリテージマネージャー、地権者、まちづくり会社、空き家コンシェルジュ、行政、大学、まちづくり団体等と連携を図りながら推進します。②木造建築技術者育成
川上(林業)~川中(製材業)~川下(設計や施工者)までの人と共に学習しながら、交流を深め、奈良県と共に学識経験者を講師とし木材に精通した建築士を育成することで、非住宅の木造化推進に寄与します。結果、県内の山林保全活用につながり、防災とグリーン化に貢献します。③品確法の理念に基づくCPDの活用推進
②のような技術者講習修了者が、公共工事の総合評価に加点されるよう引き続き、県内の行政に働きかけていきます。結果、建築士会会員だけでなく、準会員(主に建築施工管理技士)にもメリットが生まれ、会員増強だけでなく災害時の連携体制への準備・強化にもつながります。④情報発信について
いろんな関係する情報は、内外から情報を集め必要な情報を速やかに、かつ、能動的により多くの会員に案内できるよう発信していきます。⑤組織体制の見直しについて
会員減少が避けられない状況下、支部編成の見直しは、定款運営規則にも関係する重要案件です。地域性を考慮しながら、より良い組織を目指し協議を重ねていきます。□その他
仕事を離れた方でも気軽に会員同士が親睦できるよう視察等を絡めたサロン的な会(天理支部、奈良支部開催済み)を引き続き、各支部にご協力いただき開催していきたいと思います。